コラム

子供の集中力の目安は年齢+1分!原因特定方法と改善策11つを解説

「子供の集中力ってどれくらい続くの?」

「うちの子は、集中力があるほうなのかな?」

「パズルや工作なら集中できるのに、勉強になると集中力が続かないのが心配…」

そんな思いで、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

結論、子供の集中時間は「年齢+1分程度」が1つの目安とされており、小学生の場合はおよそ7〜13分程度です。

集中時間の目安は、各自治体が公開している幼児期の遊びや家庭学習、読み聞かせに関する資料を参考にし、相対的に判断しています。

参考:広島県教育委員会乳幼児教育支援センター「「遊び」は「学び」

大阪市港区「家庭学習の手引き

八千代市「八千代台図書館・公民館合同主催講座「ドキドキわくわくお話の世界」が開催されました

子供の集中力は、大人が期待するほど長く続くとは限りません。集中している時間が短いと感じても、すぐに「集中力がない」と判断しなくてもよいでしょう。

また、「好きな遊びには長く取り組めるのに、勉強や習い事は最後まで続かない」という場合も、集中力が不足しているとは言い切れません。

そもそも「集中力」とは、1つのことに意識を向けて取り組む力のことを指します。

そのため、好きなことに集中できている場合は、勉強や習い事では力を発揮しにくい状況になっていると考えることが大切です。

子供が集中しやすい状態をつくるための対策は家庭でできるものも多く、日々の環境や関わり方を少し見直すだけでも、子供の取り組み方に変化が見られる場合があります。

そこで本記事では、

・子供の集中力の年齢別の目安

・集中力があるかを判断する方法

・集中力が続かない原因

・原因別の家庭でできる集中力アップ対策

について、わかりやすく解説します。

「うちの子供は集中力がない」と悩む前に、まずは子供の現状を正しく知り、家庭でできることから始めてみましょう。

1.子供の集中力の年齢別の目安は「年齢+1分程度」

子供の集中力が続く時間は、年齢+1分程度を1つの目安として考えましょう。

集中力の持続時間については、下記の各自治体が公開している幼児期の遊びや家庭学習、読み聞かせに関する資料など、信頼性の高い3つの記事を参考にし、相対的に判断した目安です。

参考:広島県教育委員会乳幼児教育支援センター「「遊び」は「学び」

大阪市港区「家庭学習の手引き

八千代市「八千代台図書館・公民館合同主催講座「ドキドキわくわくお話の世界」が開催されました

たとえば、小学1年生なら7分程度、小学6年生なら12〜13分程度が目安となり、小学1年生〜6年生で考えると、約7分〜13分程度になります。

ただし、この時間はあくまで目安であり、子供によって集中できる時間には個人差があります。

また、小学生に限らず、中学生以上でも集中度の高い状態で物事に取り組める時間は15分程度とされています。

参考:朝日新聞「勉強時間は短い方が好成績?

そのため、子供が長時間ずっと集中できないからといって、すぐに「集中力がない」と決めつける必要はありません。

まずは、年齢に合った集中時間の目安を知り、子供がどのくらい集中できているのかを確認してみましょう。

2.うちの子供は集中力がない?集中力の有無と原因を判断する方法

1章でご紹介したとおり、小学生の集中力が続く時間は、およそ7〜13分程度が1つの目安です。

とはいえ、「詳細な時間を意識したことがないから、子供に集中力があるのかないのか判断ができない」と感じる方も多いでしょう。

そこでこの章では、

・子供の集中力を確認する方法

・集中が続かない場合の主な原因

もあわせてご紹介します。

2-1.子供の集中力の有無を確認する方法

子供がどのくらい集中できるかを知るには、「年齢+1分」程度を目安に、落ち着いて1つのことに取り組める時間を確認してみましょう。

確認するときは、以下のような方法で行うとわかりやすくなります。

確認する項目 具体例
取り組む場面 宿題や読書、パズル、工作など、1つのことに取り組むタイミング
子供の状態

空腹時を避け、朝食後や昼食後に短い休憩をとったあとが理想。

また、眠気が出やすい夕方以降なども控える

確認の方法 タイマーを使い、別のことに気を取られるまで何分集中できるか計る
見るポイント 集中が切れたときに、何へ意識が向いているのかを探る

集中力を確認するときの大切なポイントは、勉強の場面だけで判断しないことです。

集中力は、1つのことに意識を向けて取り組む力のことを指すため、勉強以外の好きなことに集中できているのであれば、何かに集中する力はあると考えられます。

より具体的に集中できるシーンを確認するためにも、午前と午後など時間を空けて「好きなこと」+「苦手なこと」を1つずつ組み合わせた2つのパターンを行ってみるようにしましょう。

この結果をもとに、子供の集中力の状態を判断する目安と次に行うことをまとめました。

結果 集中力の有無 次に行うこと
両方のパターンで集中できている 集中力があると考えられる 集中しやすい活動や時間帯を確認し、子供に合った方法を続けましょう。
片方では集中できているが、一方は続かない 集中力がある可能性が高いが、対策は必要 次章へ進み、集中が続かない原因を確認しましょう。
両方で集中が続かない 集中力を発揮しにくい状態になっている可能性が高い

好きなこと・苦手なことの両シーンにおいて集中が続く場合は、子供に合った取り組み方を続けていきましょう。

一方で、どちらかのシーンで集中が続かない場合は、2-2.【集中が目安時間まで続かない場合】子供の集中力がない原因を特定する方法を読んで、原因を整理するのがおすすめです。

「年齢+1分」集中できている場合でも気にした方がよいケース

年齢+1分程度は集中できている場合でも、以下のような複数の場面で困りごとが続いている場合は、一度学校や専門機関への相談を検討してもよいでしょう。

集中力だけでなく、発達面の困りごとが関係している可能性もあります。

【不注意が目立つ】

・宿題や持ち物を頻繁に忘れる

・指示を聞いても毎回正しく実行できない

・作業の途中で別のことに気を取られる

【落ち着いて座っていることが難しい】

・授業中に席を立つ

・体を常に動かしている

・静かに待つ場面で声を出してしまう

【作業や準備に時間がかかる】

・着替えや食事に長い時間がかかる

・宿題を始めるまでの時間が極端に長い

・次の行動へ切り替えるのが苦手

特に、生活全体で困りごとが続いている、子供本人が「頑張りたいのにできない」とつらさを感じている場合は、早めに学校や専門機関へ相談することが大切です。

学校へ相談する場合は、担任の先生や学年主任、養護教諭、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラーなどに相談する方法があります。

また、学校だけで解決が難しい場合は、下記の外部の相談先を利用することも検討してみましょう。

・自治体の子育て相談窓口や教育相談センター

・児童発達支援センター

2-2.【集中が目安時間まで続かない場合】子供の集中力がない原因を特定する方法

子供の集中力が目安時間まで続かない場合は、集中が切れたときの様子や、意識が向いた先を確認してみましょう。

集中が切れた場面を振り返り、「どのような原因で集中が続きにくくなっているのか」を知ることが大切だからです。

子供の集中力には、主に下記4つのような周囲の状況や子供自身の健康状態が影響していることもあります。

・環境

・生活習慣

・心理面

・取り組む内容や進め方

集中が切れる原因は、最初から1つに絞る必要はありません。どれか1つだけが当てはまる場合もあれば、複数の要因が関係している場合もあります。

複数の項目に当てはまる場合は、「それらが重なって集中しにくい状態をつくっている」のが原因と考えるのがよいでしょう。

原因を整理したうえで、次章以降の対策内容を確認してみてください。

3.子供の集中力がないと感じたときに見直したい4つの対策ステップ

前章では、集中が切れた場面から、子供の集中力が続かない原因を整理しました。

原因が1つに絞れた場合も、複数当てはまる場合も、子供の集中力がないと感じたときは、家庭でできる対策内容を順番に見直していくのがおすすめです。

なぜなら、子供がより集中しやすい状態をつくれる可能性があるからです。

以下は、子供の集中力を高めるために家庭でできる対策を、取り組みやすい順に沿ってまとめたものです。

まずステップ1の環境、次にステップ2の生活習慣の見直しから行いましょう。

テレビやスマホなどの刺激を減らす、睡眠・食事・運動のリズムを整えるといった、家庭内でもすぐに取り入れやすい内容が多く、子供の集中力を支える土台になります。

そのうえで、ステップ3では心理面を支え、子供が安心して取り組める状態をつくります。

子供への声のかけ方や、親が子供の気持ちを受け止める方法を少し見直すだけで始められる内容のため、日常の中で取り入れやすい対策です。

最後にステップ4として、取り組む内容の目標や進め方を子供に合わせて調整します。

親が子供の様子をそばで見ながら進め方を工夫していく対策で、家庭によって取り入れやすさは異なります。家庭の状況に応じてできる範囲からじっくり取り組んでいきましょう。

家庭内だけで対策するのが難しい場合は、外部の力も活用しよう

家庭内だけで対策するのが難しい場合は、外部の力も活用しましょう。

家庭によっては、共働きなどで子供の勉強や習い事などに直接関わる時間を十分に取れない場合もあるでしょう。

その場合は、無理に家庭だけで抱え込まず、学習サービスや習い事教室などを活用することで、家庭では対応しきれない部分もサポートしてもらいやすくなります。

詳細は、8.家庭で対策をするのが難しい場合は、学習サービスや習い事教室の利用・見直しも検討しようで紹介しているため、気になる方はあわせて確認してみてください。

なお、子供の集中力が続かない原因がはっきりしていて、「実施したい対策項目が決まっている」という方は、下記の該当する章から読み進めてみてください。

▼実施項目が決まっている場合、該当章をクリック

4.子供の集中力が続かない原因(1)環境に関する対策

子供の集中力が続かない原因として、集中を妨げる環境的な要因があることが挙げられます。

子供本人に集中する力がないのではなく、周囲の状況によって意識がそれやすくなっているケースです。

環境に関する対策は、まず「取り組む場所を決める」ことから始め、そのうえで「周囲の刺激を減らす」流れで進めると取り組みやすくなります。

【環境に関する対策の詳細】

対策の内容

アプローチできる

集中が続かない背景・状態

(1)取り組む場所をできるだけ固定する 気持ちの切り替えができなくなっている
(2)余計な刺激を減らして集中しやすくする 周囲の刺激により注意が散漫になっている

各対策の具体的な進め方は、以下の通りです。

4-1.環境に対する対策(1)取り組む場所をできるだけ固定する

宿題や習い事の練習をする場所は、できるだけ同じ場所に決めておきましょう。

「ここでは勉強する」「この場所では習い事の練習をする」と子供が認識しやすくなり、気持ちを切り替えやすくなります。

・一人のほうが集中しやすい子供であれば子供部屋

・誰かが近くにいるほうが安心して取り組める子供であれば、リビングの一角やダイニングテーブルのように親の目が届く場所

などを選ぶとよいでしょう。

4-2.環境に対する対策(2)余計な刺激を減らして集中しやすくする

子供が集中しやすい環境をつくるには、まず余計な刺激を減らすことが大切です。

子供は、目に入ったものや聞こえた音に意識が向きやすいため、周囲に刺激が多いと集中が切れやすくなります。

そのため、視界に入るものや耳に入る音を減らすことで、目の前のことに意識を向けやすくなります。

下記の例に該当する刺激がある場合は、以下のように見直してみましょう。

刺激の種類 具体例 対策の例
目に入る刺激 テレビ、スマホ、おもちゃ、漫画、机や部屋の散らかりなど

勉強や練習を始める前に、気が散りやすいものを見えない場所に移す。

机の上には、そのとき使う教材や道具だけを置く

耳に入る刺激 テレビの音、兄弟姉妹の声、家の周囲の環境音など

取り組む時間帯を見直す

例)

・テレビがついていない時間

・兄弟姉妹が別の遊びをしている時間

などに宿題や習い事の練習を行う

特に耳に入る刺激に関して、家庭の間取りや兄弟姉妹の生活リズムなど、自宅だけで集中しやすい環境を整えるのが難しい場合は、塾や習い事教室、自習スペースなどを活用し、場所を変えて取り組むのも1つの方法です。

5.子供の集中力が続かない原因(2)生活習慣に関する対策

睡眠・食事・運動などの生活習慣が整っていないことも、子供の集中力が続かない原因の1つと考えられます。

子供本人に集中する気持ちがあっても、眠気や疲れ、空腹、運動不足などがあると、集中しにくい状態になってしまうケースがあるためです。

【生活習慣に関する対策の詳細】

対策の内容

アプローチできる

集中が続かない背景・状態

(1)睡眠時間と起床時間を整える 眠気や疲れで頭がぼんやりしてしまっている
(2)朝食や食事内容を見直す 空腹や栄養の偏りによるエネルギー不足が起きている
(3)運動と遊びの時間にメリハリをつける 運動や遊びのバランスが崩れてしまっている

生活習慣に関する対策は、まず睡眠時間や食事内容を整えて日中の眠気や疲れを減らし、そのうえで運動・遊びの時間を見直しましょう。集中力を支える生活リズムを段階的に整えやすくなります。

実際に文部科学省が子供を対象に行った調査では、十分な睡眠や食事、規則正しい生活リズムといった基本的生活習慣が身に付いていないと、体のだるさなどの不調を感じ、集中力が低下する傾向があることが明らかになっています。

参考:文部科学省「第2章 青少年の意欲をめぐる現状と課題

各対策の具体的な進め方は、以下の通りです。

5-1.生活習慣に対する対策(1)睡眠時間と起床時間を整える

生活習慣を整えるには、まず睡眠時間を見直しましょう。

睡眠時間が足りないと、子供が日中に眠そうにしていたり、ぼーっとしていたりすることが多くなり、その結果、勉強や習い事に集中しにくくなることがあります。

実際に、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9〜12時間の睡眠時間を確保することが推奨されています。

これを参考に、学年別の睡眠時間と朝7時に起きる場合の就寝目安をまとめると、以下の通りです。

学年 推奨される睡眠時間 朝7時に起きる場合の就寝目安
低学年(1・2年生) 12時間程度 19時ごろ
中学年(3・4年生) 11時間程度 20時ごろ
高学年(5・6年生) 9~10時間程度 21~22時ごろ

必要な睡眠時間には個人差がありますが、低学年ほど長めの睡眠時間を確保し、学年が上がっても9時間以上を目安にするのがよいでしょう。

万が一、夜更かしが続いている場合は就寝前のスマホや動画視聴を控えることも大切なポイントです。

5-2.生活習慣に対する対策(2)朝食や食事内容を見直す

食事内容に偏りがある場合は、主食・主菜・副菜のバランスを整えることを意識しましょう。

主食・主菜・副菜とは、それぞれ以下のような食品を使った料理を指します。

・主食:ごはん・パン など

・主菜:肉・魚・卵・大豆製品 など

・副菜:野菜・きのこ・いも・海藻 など

毎食すべてを完璧にそろえる必要はありませんが、できる範囲で組み合わせを意識しましょう。

なかでも、朝食を抜かないことは特に大切です。空腹のままではエネルギーが不足し、勉強や習い事に集中しにくくなることがあります。

朝からしっかり食べるのが難しい場合は、おにぎりやバナナ、ヨーグルトなど、少量でも食べやすいものから取り入れてみましょう。

農林水産省が公表している『「何を」「どれだけ」材料と料理区分』を参考に、栄養の摂れる朝ごはんの例をまとめると以下の通りです。

パターン 朝ごはんの例
ごはん派 おにぎり+卵焼き+具だくさん味噌汁
パン派 食パン+スクランブルエッグ+ヨーグルト+果物
小食の子供の場合 バナナ+ヨーグルト、または小さめのおにぎり+味噌汁

朝食は完璧な内容を目指すよりも、子供が食べやすい形で主食・主菜・副菜を少しずつ取り入れ、無理なく続けられるようにしましょう。

5-3.生活習慣に対する対策(3)運動・遊びの時間を決めてメリハリをつける

子供が集中しやすい状態をつくるには、運動・遊びの時間を決めてメリハリをつけることが大切です。

体を動かして発散する時間や、ゲーム・動画視聴などを楽しむ時間をあらかじめ決めておくことで、「今は遊ぶ時間」「次は勉強や練習に取り組む時間」と、子供が行動を切り替えやすくなります。

運動や遊びの時間については、親子で相談しながら、以下のようなルールを決めてみましょう。

【運動や遊びに関するルールの例】

・体を動かす時間:学校が休みの日は、60分の運動時間を設ける

・ゲームや動画視聴の時間:「宿題のあとに見る」「1日〇分までにする」「寝る前は見ない」など

特に運動は、脳の働きを活発にし、集中しやすい状態づくりにつながることが実際に報告されています。参考:豊岡市教育委員会「運動遊びは心も脳も育てる

また、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、子供の余暇のスクリーンタイムを減らし、1日60分以上の身体活動を行うことも推奨されています。

必ずしも連続して60分以上運動する必要はないため、下記の例を参考に、少しずつ体を動かす時間を取り入れてみましょう。

学年 取り入れやすい運動・活動の例
低学年(1・2年生) 外遊び、鬼ごっこ、散歩、縄跳び、遊具遊び
中学年(3・4年生) ボール遊び、自転車、縄跳び、ダンス、スポーツ遊び
高学年(5・6年生) ランニング、球技、体幹トレーニング、徒歩での移動

子供が集中しやすい生活リズムを整えるためにも、家庭で無理なく続けられるルールを決めて実践していくのがおすすめです。

ポイント!
ゲームやスマホに集中しすぎる場合は、終わり方まで決めておこう

ゲームやスマホに集中しすぎる場合は、時間だけでなく「どう終わるか」まで決めておきましょう。

「やめる」から「次の行動に移る」までの流れをつくりやすくなるからです。

たとえば、下記のような方法がおすすめです。

例1)子供がわかりやすい区切りを決めておく

タイマーが鳴ったらすぐに終わるのではなく、「タイマーが鳴ったら今のゲームが終わったところでやめる」「動画は今見ているところまでにする」など

(例2)終わった後にする行動もあらかじめ決めておく

・ゲームの後は明日の準備をする

・動画を見た後はお風呂に入る

・スマホを親に渡してから宿題を始める

6.子供の集中力が続かない原因(3)心理面に関する対策

子供の集中力が続かない背景には、不安や苦手意識、プレッシャーなどの心理面が関係していることもあります。

集中しようという気持ちがあっても、「失敗したらどうしよう」「怒られるかもしれない」といった不安があると、目の前のことに意識を向けにくくなるためです。

特に子供は、一番身近な存在である親との関わりのなかで、自信を持ったり、反対に不安を感じたりするケースが少なくありません。

だからこそ、心理面に関する対策では、親が子供への関わり方を見直すことが重要です。

以下の3つの項目すべてを意識しながら関わる必要があるため、できることから取り入れていきましょう。

【心理面に関する対策の詳細】

対策の内容

アプローチできる

集中が続かない背景・状態

(1)できた部分を具体的に褒める 取り組む内容に自信を持てなくなっている
(2)子供の気持ちを受け止める 気持ちが落ち着かず、集中しにくくなっている
(3)子供が「責められた」と感じる声かけを避ける 叱られることに不安を感じている

各対策の具体的な方法は、以下の通りです。

6-1.心理面に対する対策(1)できた部分を具体的に褒める

子供が少しでも何かに取り組めたときは、できた部分を具体的に褒めるようにしましょう。

頑張っても認められなかったり、できたことよりもできなかったことに目を向けられたりすると、子供は「どうせ自分はできない」と感じ、集中して取り組みにくくなることがあります。

そのため、子供を褒めるときは、できた部分や前向きに取り組めた行動を具体的に伝えることが大切です。

特に、声かけの際は単に「頑張ったね」といった言葉ではなく、

「最後まで読めたね」

「昨日より早く始められたね」

「前回より○問多く問題を解けたね」

など、子供のどんな行動がよかったのかを具体的に伝えましょう。

また、ほかの子供や兄弟姉妹と比べるのではなく、前回の本人と比べてできたことに目を向けることも大切です。

小さな変化を認めてもらえると、子供は少しずつ自信を身に付けることができ、勉強や習い事にも集中して取り組みやすくなります。

6-2.心理面に対する対策(2)子供の気持ちを受け止める

何かに取り組んでいる最中は、子供の気持ちを受け止めることを意識しましょう。

子供は、勉強や習い事などに取り組む中で、考えたり試したりしながら少しずつ進んでいきます。

そのため、途中で迷ったり、思うように進まなかったりすると、気持ちが揺れて集中が切れやすくなることがあります。

手が止まったり、表情が曇ったり、落ち着かない様子が見られたりしたときは、すぐに続きを促すのではなく、まず子供本人の気持ちを受け止めることが大切です。

たとえば、以下のような言葉をかけてみましょう。

「少し疲れてきたかな」

「ここまで頑張ったね」

「いったん深呼吸してみよう」

このように、子供の気持ちや様子を受け止める声かけをすることで、安心して取り組める状態をつくりやすくなります

子供が「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じられる関わり方を意識し、目の前のことに向き合いやすい状態を整えていきましょう。

6-3.心理面に対する対策(3)子供が「責められた」と感じる声かけを避ける

子供の集中力を高めたいときは、「責められた」と感じてしまうような声かけを避けるようにしましょう。

責められたように感じやすい声のかけ方が続くと、子供は勉強や習い事の練習などに対して苦手意識を持ちやすくなります。

そのため、子供の気持ちが落ち込みやすい「責めるような言葉」を避け、前向きに行動できそうな言葉をかけるようにしましょう。

子供を責めるような声かけの例 子供を前向きな行動に促す声かけの例

・なんで集中できないの?

・そんなこともできないの?

・何回言えばわかるの?

・早くしなさい

・まだできていないの?

・どこからなら始められそう?

・どこが難しかったか教えて

・もう一度、一緒に確認してみようか

・あと5分で始めようか

・どこまでできたか見せてもらえる?

子供ができなかったことを責めるのではなく、失敗を恐れずに挑戦できる雰囲気をつくることが大切です。

前向きな行動に促す声かけの例のように、子供が次に何をすればよいかを一緒に確認したり、自分で考えるきっかけをつくったりするようにしましょう。

7.子供の集中力が続かない原因(4)取り組む内容や進め方に関する対策

子供の集中力が続かない原因として、取り組む内容や進め方が子供に合っていないことも挙げられます。

内容の難易度や量、取り組む時間、進め方が合っていないことで、「難しすぎる」「終わりが見えない」「やっていて楽しくない」と感じやすくなっているケースです。

取り組む内容や進め方に関する対策は、下記の流れで進めると、子供が集中しやすい方法を見つけやすくなります。

【取り組む内容や進め方に関する対策の詳細】

対策の内容

アプローチできる

集中が続かない背景・状態

(1)適宜休憩を入れて区切る 時間が長すぎて、集中が続きにくくなっている
(2)目標や進め方を子供に合わせて調整する 量や難易度が合わず、負担を感じやすくなっている
(3)興味のある活動を取り入れてやってみる 方法が性格に合わず、興味を持ちにくくなっている

ただし、この章の対策は親がそばでサポートする場面が多くなるため、家庭によって取り入れやすさに差があるかと思います。

家庭で十分にサポートするのが難しい場合は、学習サービスや習い事教室などを活用し、子供が取り組みやすい環境を外部で整えるのも1つの方法と考えましょう。

取り組む内容や進め方を見直すための具体的な対策は、以下の通りです。

7-1.取り組む内容や進め方に対する対策(1)適宜休憩を入れて区切る

集中力が続かない場合は、長時間続けようとせず、短い時間に区切りながら休憩を入れて取り組ませましょう。

1章でも述べたように、子供が集中できる時間は「年齢+1分程度」が1つの目安とされているからです。

そのため、最初から長い時間続けて取り組ませようとすると、途中で集中が切れたり、机に向かうこと自体を負担に感じたりする場合があります。

宿題や家庭学習にまとまった時間が必要な場合でも、「年齢に応じた集中の目安の時間だけ取り組む→5分休憩する→もう一度取り組む」のように、取り組む時間を区切るのがおすすめです。

短い時間に区切ることで、子供も「ここまで頑張れば休憩できる」と見通しを持ちやすくなります。

ポイント!
慣れてきたら「15分」を目安に区切るという方法もおすすめ

短い時間に区切って取り組むことに慣れてきたら、「15分」を目安にする方法を取り入れるのもおすすめです。

集中力には「15・45・90の法則」という考え方があり、子供が集中を保ちやすい時間は15分を3セットにした45分程度、大人では45分を2セットにした90分程度が目安とされています。

実際に、小学校の授業は1コマ45分を基準としている学校が多く、文部科学省の資料でも、小学校の授業時数は1単位時間を45分として計算することが示されています。

参考:文部科学省「学習指導要領「生きる力」

子供の様子を見ながら、慣れてきたら少しずつ取り組む時間を伸ばし、無理のない範囲で15分を目安にした学習サイクルを取り入れてみましょう。

7-2.取り組む内容や進め方に対する対策(2)目標や進め方を子供に合わせて調整する

取り組む内容に対して子供が戸惑っている様子が見られる場合は、「何をどこまでやればよいか」がわかるように、目標や進め方を調整しましょう。

取り組む量が多すぎたり、難易度が合っていなかったりすると、子供は始める前から負担に感じたり、途中で集中が切れたりしやすくなります。

そのため、いきなり全部をやらせるのではなく、短時間で達成できる目標や難しい内容に取り組む場合の進め方などを提案しながら、子供の様子に合わせてサポートすることが大切です。

短時間で達成できる

目標の例

難しい内容に取り組む

進め方の例

・漢字を5個覚える

・音読を1回する

・計算問題を3問だけ解く

・楽器の練習なら、その日決めた一部分だけ弾けるようにする

・まずは1問だけ一緒に解く

・苦手な部分は親が例を見せる

・「ここまでできたら休憩しよう」と終わりを決める

このように、目標や進め方を子供に合わせることで、「何をすればよいか」がわかりやすくなり、集中して取り組みやすくなります。

なお、同じ問題や練習が続いて飽きてしまう場合は、練習する順番を変えたり、使う道具を変えたりするなど、少し変化をつけるのもおすすめです。

7-3.取り組む内容や進め方に対する対策(3)興味のある活動を取り入れてやってみる

下記のように、今の取り組み方が子供に合っていない様子が見られる場合は、勉強や練習の中に、子供が興味を持ちやすい活動を取り入れてみましょう。

【取り組み方が子供に合っていない様子の1例】

・図を描く問題は集中できていたのに、文字だけの問題はやる気をなくす

・声に出して読むのは最後まで続くのに、黙って読むとすぐに飽きてしまう

子供によっては、図やイラストを使う、クイズ形式にするなど、「楽しい」「やってみたい」と感じる工夫を加えたほうが、前向きに取り組みやすくなることもあります。

7-2.取り組む内容や進め方に対する対策(2)目標や進め方を子供に合わせて調整するを行いつつ、子供が興味を持って取り組める勉強法があるかを確認しながら、実際に試してみましょう。

子供の好きな活動のタイプ 取り入れ方の例
絵や図を見ることが好き

・図やイラストにして説明する

・色ペンで大事な部分を目立たせる

体を動かすことが好き

・歩きながら音読する

・1問解いたら伸びをする

音やリズム遊びが好き

・リズムをつけて暗記する

・手拍子しながら覚える

クイズやゲームが好き

・問題をクイズ形式にする

・親子で交代しながら出題する

人に話すことが好き

・覚えた内容を親に説明する

・子供が先生役になって親に教える

特に子供は、興味のある活動に集中できる経験を積むことで、その力を様々な形で活かせる可能性があります。

「できた」「楽しかった」という経験は、子供の自信にもつながります。まずは集中しやすい取り組み方から始め、少しずつ集中できる時間を増やしていきましょう。

8.家庭での対策が難しい場合は、学習サービスや習い事教室の利用・見直しも検討しよう

「家庭では対策を行うのが難しい」「家庭で対策してみても、子供の集中力が続かない…」といった場合は、学習サービスや習い事教室など、外部の力を借りるのも1つの方法です。

家庭では勉強や習い事の練習に集中しにくい子供でも、場所や先生、周囲の雰囲気が変わることで、気持ちを切り替えやすくなる場合があります。

また、すでに塾や習い事に通っていて、家庭で工夫しても子供が集中できない状況が続いている場合は、サービスの種類を見直してみるのもよいでしょう。

そもそも取り組む内容が子供に合っていないと、集中しにくさにつながることがあります。

この章では、対策する時間を確保しにくい、または対策を続けても集中が続きにくいなど、「家庭での対策が難しい」と感じている場合の選択肢として、学習サービスと習い事教室の例を紹介します。

学習サービス

勉強に集中する場をつくりたい方におすすめ

習い事教室

音楽・スポーツなど、勉強以外の取り組みでも集中する経験を増やしたい方におすすめ

外部の力を活用して集中力を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

8-1.勉強面の集中力を高めたいなら、学習サービスを活用する

勉強面の集中力を高めたい場合は、学習塾や通信教育、オンライン学習サービスなどの活用を検討してみましょう。

勉強に集中しやすい環境や、子供の理解度に合わせたサポートなど、各サービスに応じたメリットがあるため、家庭内の対策では集中しにくい子供でも取り組みやすくなる場合があります。

学習塾と、通信教育・オンライン学習サービスの特徴は以下の通りです。

学習塾

通信教育

オンライン学習サービス

個別指導塾は価格が高め

費用

比較的価格が安い

勉強をするための場所で学べる

環境

学習は自宅で行うのが一般的

先生の声かけや指導を受けられる

サポートの受けやすさ

保護者の確認が必要になることがある

個別指導であれば

合わせてもらいやすい

子供に合った進め方

AI機能により

レベルに合わせて進めやすい

通塾時間や送迎の負担がある

通いやすさ・続けやすさ

自宅で行うのが一般的なため

通塾の負担が少ない

・自宅では集中しにくい

・先生の声かけがあるほうが取り組みやすい

おすすめの人

・子供に合わせて学習内容を選べる

・動画やタブレット教材に興味がある

どちらの学習サービスが合うかは、子供の性格や家庭の状況によって異なります。

選び方に迷う場合は、以下の基準を参考にしてみましょう。

・環境やサポートを重視する場合は「学習塾」

・子供に合った進め方や続けやすさを重視する場合は「通信教育」や「オンライン学習サービス」

ただし、どちらを選ぶ場合も「子供に合わせて学習内容を選べるか」が非常に重要です。

学習内容が子供のレベルに合っていないと、「つまらない」と感じて集中力が続きづらくなります。

そのため、子供の理解度や理解力に合わせた、学習内容を選べる方法を選ぶようにしましょう。

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8-2.勉強以外の取り組みで集中する経験を積むなら、習い事教室を活用する

音楽・スポーツなど、勉強以外の場面でも集中する経験を増やしたい場合は、習い事教室の活用もおすすめです。

なぜなら、習い事教室を活用することで、以下のようなメリットがあるからです。

【集中力の向上に習い事教室を活用するメリット】

・家庭では簡単に取り入れにくい楽器の演奏や、競技などに集中して取り組む場をつくることができる

・「楽しい」「できた」「もっとやりたい」という経験を積み、1つのことに向き合う力を育てやすくなる

子供の集中力向上におすすめの習い事の例は、以下のようなものが挙げられます。

習い事の種類 具体例 集中力につながるポイント
音楽系

・ピアノ

・バイオリン

・ドラム

楽譜を読む、音を聴く、指を動かすなど、複数のことに意識を向けながら練習できる
スポーツ系

・水泳

・体操

・サッカー

・ダンス

・武道

体を動かしながら、先生の指示を聞く、順番を守る、動きを覚える経験ができる
思考力・集中系

・そろばん

・プログラミング

目の前の課題にじっくり向き合い、考える力や集中して取り組む力を育てやすい
表現・制作系

・書道

・絵画

・陶芸

手先を使いながら1つの作品に向き合うため、落ち着いて取り組む経験につながる

親が家庭で練習をサポートしたり、対策を行ったりするのが難しい場合は、水泳、体操、武道、絵画など、自宅練習の負担が少ない習い事を選ぶのがおすすめです。

また、すでに習い事に通っているものの、集中して取り組めない状態が続いている場合は、習い事の種類を見直してみるのもよいでしょう。

たとえば、「音楽系よりスポーツ系の習い事のほうが興味を持ちやすい」など、習い事の種類を変えることで集中して取り組みやすくなるケースもあるかもしれません。

まずは無料体験や見学を活用し、教室の雰囲気や子供の反応を確認してみましょう。

9.まとめ

子供の集中力が続く時間は、「年齢+1分程度」を1つの目安として考えましょう。

小学1年生〜6年生で考えると、約7分〜13分程度が集中持続時間の目安になります。

また、集中力があるかないかの判断をする際は、以下のポイントを確認してみてください。

確認する項目 具体例
取り組む場面 宿題や読書、パズル、工作など、1つのことに取り組むタイミング
子供の状態

空腹時を避け、朝食後や昼食後に短い休憩をとったあとの状態

眠気が出やすい夕方以降などは控える

確認の方法

タイマーを使い、何分集中できるか計る

別のことに気を取られるまでが集中が続く時間と判断する

見るポイント 集中が切れたときに、何へ意識が向いているのかを探る

集中力の有無を判断する際は、「好きなこと」と「苦手なこと」の2つのパターンに取り組む場面を確認し、子供がどのような場面で集中しやすいのかを見てみるのがおすすめです。

結果にもとづく判断の目安は、以下の通りです。

【集中力があると考えられる】

「好きなこと」と「苦手なこと」の両方で、年齢+1分程度集中できている

【集中力がある可能性が高いが、対策は必要】

「好きなこと」または「苦手なこと」のどちらか一方で年齢+1分程度集中できているが、一方は集中が続かない

【集中力を発揮しにくい状態になっている可能性が高い】

「好きなこと」「苦手なこと」の両方で年齢+1分程度の集中力が続かない

集中力が続かない結果となった場合の主な原因としては、以下の4つが考えられます。

・環境

・生活習慣

・心理面

・取り組む内容や進め方

原因が1つに絞れた場合も、複数当てはまる場合も、子供の集中力がないと感じたときは、家庭でできる対策を順番に見直していくことが大切です。

対策順 対策の内容 主な対策ポイント
ステップ1 環境に関する対策 集中しやすい環境を整える
ステップ2 生活習慣に関する対策 睡眠・食事・運動などの生活習慣を整える
ステップ3 心理面に関する対策 安心して取り組めるようにサポートする
ステップ4 取り組む内容や進め方に関する対策 目標や進め方を子供に合わせて見直す

環境や生活習慣、子供との関わり方を少し見直すだけでも、子供がより集中しやすい状態をつくれる可能性があります。

すべて実践できない場合でも、まずは取り入れやすいものから実践してみましょう。

ただし、家庭によっては、共働きなどで子供の勉強や習い事の練習に直接関わる時間を十分に取れない場合もあるでしょう。

その場合は、無理に家庭内だけで抱え込まず、学習サービスや習い事教室などを活用するのも1つの方法です。

家庭では対応しきれない部分を外部の力で補いながら、子供に合った集中しやすい環境を整えていきましょう。

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